まったく久しぶりの更新です。その間も何人かの方が覗いてくれています。感謝です。
浅田次郎の作品は、何作か読んだがどれも腑におちるものはなかった。ただ最後に読んだ「壬生義士伝」が結構面白かったので、このコロナ自粛でザァマに暇な中、新聞広告の「日本全土が感涙!」につられて通販で買った。
筋立てはさすがに当代きってのストーリーテラーなので一気に上下巻読み切ってしまったが、道中にまきおこる事件には、筋立てが理に合わない話もままあり、きわめつけは最後の締めくくりで、まったく納得いかず、読後感は極めて悪いものであった。
ネタバレになるが、不義密通の冤罪をきせられた大身が、それを雪(そそ)ぐこともなくなぜか諾としてうけいれ結果一族郎党を路頭にまよわせ、自身は蝦夷地に流されるなんて筋立てにはそれはないと思うし、こんな理不尽な話で終わらせ不愉快な思いを読み手にのこすなんていうのは、しょせん娯楽である小説の本筋から外れている。
もうこれも後味の悪かった「蜩ノ記」の葉室麟とともに浅田次郎作品を手に取ることはないだろう。
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