久しぶりの百田氏の作品。そして久しぶりに一気読みした。先の台湾旅行でも二冊ほどお供させたが、だいたい旅行の後はなぜか、読書量がガクンと減る。iPadをいじっている時間が極端に多くなる。なんでかいな?

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書下ろし作品である。蛇足ながら書下ろしとは、作品が週刊誌などの連載をまとめ出版したものではなくて、そのまま作者から製本、出版となったものをいいます。

 

さらっと書き上げたであろう青春物で、主人公が小学生にしては、言葉使いも、男女間の機微にしてもずいぶんませているなぁと感じる。高校生くらいの設定だったらもっとよかっただろう。全体としては氏の処女作品の「錨をあげよ」の雰囲気はよく似ているように思う。

 

だいたいこのくらいの作品(250頁)だったら読書走破56時間というところだが、4時間余りで読み切ってしまった。映画ならシニア割りびきで2時間1000円くらいなので、この本は1400円で4時間ならマァ割安かななんぞと下世話なことを考えながら本を閉じた。

最後のエピローグは、書きなぐったという感じでもう少し丁寧に細やかに、終わってほしかったが、氏の作品はやいわゆる「ヤナ、終わり方」をしないのでまぁこれでいいかな。

 

 

・子供時代や十代にそうした負荷(微積分や、メンデレーエフの周期律など社会に出てから何の役にもたたないであろう知識を詰め込まれること)をかけずに過ごした者は、社会に出て苦労することになる。

また大人になってから、いやな仕事や退屈な仕事を続けることに根気が続かない人になる。