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 ひょんなことから読みだしてもう3巻目。
 物語の筋立てが面白いし、話の流れがとても早い。

 国での騒動にまき込まれて親友とその妹を失った磐音は、江戸で鰻の捌きの日当で食いつなぎながら明日の見えない日々を送っていた。

 そんなとき国で磐音たちを陥れた国家老の罪をあばく動きが出てきた。藩主の密命をうけて磐音は懐かしい国へと向かう。
 首尾よく家老一派を駆逐したものの、磐音の許嫁の奈緒は、家族を養うため自ら苦界に身を落とす覚悟を決めていた。

 間一髪で奈緒をとらえることができなかった磐音は、藩騒動が落ち着くのを見定める間もなく、奈緒を追う。

 いくら家族を養うためとはいいながら、許嫁がいながら自ら女郎になろうとするかいな。とも思うが、まぁ小説としては面白いのだろう。ところどころ引っかかるところもあるが読みだすと瞬く間に一巻読んでしまう。

 他の読みたい本もいっぱいあるのにこれと、藤沢作品の残りを読むのに没頭しているこの頃である。

烏金:藤沢作品にもよく登場するが、ぼて振り(天秤を担いで売り歩く町人)などがその日の朝などに金を借りて商売のあとその元金と利息を返す金の事。その金主は、町の小金持ち等のことが多くその金利は高額だったというが金のない町人にはありがたい制度であった。